誤解を生みそうなレビューがあったのでちょっと書きますが、
原始仏教やこの本では、怒りなどの負の感情を悪いこととは言っていません。どんな感情も心の中にあってよいんですよ。そして、怒りをただただ見つめるだけなんです。怒りがなくならなくても、おさまらなくてもいいんです。見つめていると、少しだけ怒りがおさまる瞬間があります。また、すぐに怒りが復活しますが(苦笑) でも、それでいいんです。それを根気よく何年も続けていくと、少しずつ怒りなどの負の感情が薄まっていく。それが、草薙さんの提唱する実践的な方法の一つです。
また、全く反応しないなんてできない、という方がいますが、この本ではそこまで読者に求めていません。あくまで、自分を苦しめたり、振り回したりする負の反応を無くしていきませんか、というのがこの本のスタンスです。どれだけ負の反応を無くしていくかは、その人次第、納得できるところまでで大丈夫です。
この本に怒りは悪や、全く反応するな、などと誤解させる言葉は書いていないのですが、おそらく、本に書いてある言葉に、自分なりの解釈を付け足し、膨らませ、本来の意味を間違えて読んでしまったのかと思います。
確かに、本全般に言えることですが、そういった危険性はあります。また、草薙さんの提唱する実践的な方法が、簡単にできるように見えて、その実、かなり根気が必要で、簡単にできることではなかったりします。
だから、この本は合う人と合わない人がいると思います。本質を突いていない低評価のレビューに、沢山の賛同がついているのを見て、合わない人が結構いるのかなと思いました。
ただ、合う人にとって、この本はとてつもなく大きな力があります。
私は発売当初から現在までの二年間、この本を何度も読み、実践したり、忘れて実践しなかったりしています。もともと感情的、ヒステリックな人間なのですが、これを読み始めた当初は、怒りで我を忘れたら、何をしでかすかわからない女でした(汗) そのため大きな問題を起こし、母親に心底心配され、自分自身も苦しいので「なんとかしないと」と思い、この本を手に取りました。
草薙さんの提唱する方法を実践してきた現在、二年前に比べてだいぶ怒りがマシになりました。前は怒りが爆発したら何日も長引いていたのが、今は一日で収まるようになりました。ただ、未だに怒りが強く出ます。でも、怒っている時、冷静な自分がいるんです。そのため、問題行動を起こさなくなりました。前にはなかっ
たことです。
あとは、今まで人の顔色や言動を酷く気にして、いつまでもくよくよ悩んでいたのが、ほぼなくなりました。これは意図せず、大きな変化でした。
洗脳されるとか、薬で脳の状態を変えるとか、そういうことは一切せず、自分の意志で自分の心を変えていく方法なので、劇的な変化は得られず、かなり根気が必要ですが、真面目に正しく実践すれば幾らかの効果はあると思います。忘れてしまったりして、真面目に実践していない私でさえ、少し効果があったのです。
長くなりましたが、この本は図書館でも読めるので、一度読んでみることをオススメします。パラパラと見てしっくりきたら、是非この方法を試してみてほしいです。合わなければ、心の問題を解決する方法、またはより良く生きる方法は他にも沢山ありますから、他を試してみてください。